「共働きだから、ペアローンを組めば同じ返済額でもっといい家が買えるはず」——37歳、夫婦ともに正社員で世帯年収も安定しているあなたなら、そう考えるのは自然なことです。ペアローンは審査にも通りやすく、住宅ローン控除も夫婦それぞれで受けられるため、住宅営業マンからも強く勧められがちな仕組みです。
実はこれ、他人事ではなく私たち夫婦自身の話でもあります。「せっかくなら憧れの4LDKを」とペアローンを組んで新居を購入したのですが、住宅ローンアドバイザーの友人に契約書を見せた瞬間、「うわ、これ離婚したら地獄だよ」とドン引きされたのです。契約前にその言葉を聞いていれば……と、今でも冷や汗が出る思い出です。
ペアローンの仕組みとメリット
ペアローンとは、夫婦それぞれが別々に住宅ローン契約を結び、お互いが連帯保証人になる仕組みです。夫婦の収入を合算して審査されるため借入可能額が増え、住宅ローン控除も夫婦それぞれで受けられるという税制上のメリットがあります。
共働き夫婦がペアローンを選びやすい理由
共働き世帯にとって「二人分の収入で大きな借入ができる」というのは非常に魅力的です。私たちも「せっかくの共働き、その強みを活かさない手はない」と考え、迷わずペアローンを選びました。
私たちがペアローン契約後に気づいた3つのリスク
1. 離婚時に地獄を見る
ペアローンは離婚してもローンが自動的に解消されるわけではありません。片方が家を出ても、双方に返済義務が残り続けます。友人いわく「離婚してからペアローンの名義変更をしようとした夫婦が、銀行の審査に通らず何年も身動きが取れなくなったケースをいくつも見てきた」とのこと。私たちは幸い夫婦仲は良好ですが、「絶対に離婚しない自信があるか」と聞かれると、契約時にそこまで深く考えていなかった自分に気づかされました。
2. 産休・育休中も返済義務は続く
妻の私が育休に入り収入がゼロに近くなった期間も、私名義のローン返済は待ってくれません。育休手当だけでは自分名義の返済分を賄いきれず、慌てて家計を組み替えることになりました。「二人で借りる=二人で楽になる」ではなく、「二人分の返済義務を二人とも常に負う」という当たり前のことを、育休中の通帳残高を見てようやく実感したのです。
3. 団体信用生命保険が別々にかかる
ペアローンは団信もそれぞれ別契約になるため、片方が亡くなった場合、その人の借入分しか保険で完済されません。残された配偶者は、自分の借入分の返済をそのまま続ける必要があります。「二人で組んでいるから何かあっても安心」と漠然と思い込んでいましたが、実際は半分しか守られていなかったという事実に、契約から2年経ってようやく気づいた次第です。
ペアローンを選ぶ前に確認したいポイント
| 確認項目 | チェックすべきこと |
|---|---|
| 離婚時の対応 | 売却・借り換え・単独名義化の選択肢と条件を事前に確認 |
| 産休・育休期間 | 収入減の期間の返済シミュレーションをしておく |
| 団信の保障範囲 | 連生団信(夫婦連生型)が選べるか金融機関に確認 |
| 持分割合 | 出資額に応じた正しい持分登記で贈与税リスクを回避 |
特に「連生団信」を扱う金融機関であれば、どちらかが亡くなった際に夫婦分の残債がすべて完済される商品もあります。私たちが契約した銀行にはこの選択肢がなく、後から知って悔しい思いをしました。これから組む方は、必ず契約前に確認してほしいポイントです。
よくある質問
Q1. ペアローンと収入合算、どちらがいい?
A. 借入額を最大化したいならペアローン、団信のリスクを一本化したいなら連帯債務や収入合算の方が向いています。それぞれ一長一短があるため、将来のライフイベント(出産・転職・介護)まで見据えて選ぶことが大切です。
Q2. すでにペアローンを組んでしまった場合、どうすればいい?
A. 今すぐ何かを変える必要はありませんが、団信の保障内容を再確認し、万が一のときの生活防衛資金を夫婦それぞれで備えておくと安心です。定期的に家族で「もしも」の話をしておくことも大切な備えです。
Q3. ペアローンは離婚時に必ず解消しないといけない?
A. 必ずしもすぐに解消する必要はありませんが、返済が滞ると双方の信用情報に影響が出るため、早めに金融機関に相談し、売却や借り換えなどの選択肢を検討することをおすすめします。
まとめ
共働きだからこそ選べる、二人の力を合わせたペアローン。それ自体は決して悪い仕組みではありません。ただ、「借りられる額」だけを見て契約を決めてしまうと、離婚・産休育休・万が一の死別といった、誰にでも起こりうるライフイベントへの備えが手薄になってしまいます。あなたが今、家族のために一生懸命マイホーム計画を進めているなら、その頑張りは本当に尊いものです。だからこそ、その頑張りが将来のリスクで台無しにならないよう、契約前にほんの少しだけ「もしも」を想像する時間を作ってあげてください。それだけで、この先何十年もの安心感がまったく変わってきます。
この記事は、運営者(Ikuo)が自分自身で調べ、まとめた内容です。専門家による監修を受けたものではありません。より詳しい・個別の判断が必要な内容は、専門家や各サービスの窓口に直接ご相談ください。
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