「ペアローンはやめとけ」と言われる理由は?37歳共働き夫婦の体験談|離婚・育休・団信で見落としたこと

正直に言うと、私は住宅ローンの契約書を、ほぼ読まずにサインしました。「ペアローンを組めば、二人分の収入で憧れの4LDKが買えますよ」という営業さんの一言に、頭の中ではもう家具の配置が始まっていたからです。契約書を読むより先に、カーテンの色を決めていました。順番が完全に逆です。

その後、住宅ローンアドバイザーをしている友人に契約書を見せた瞬間、彼の顔から表情がすっと消えて、「うわ、これ離婚したら地獄だよ」と言われました。私は37歳、妻も37歳、共働きの正社員夫婦です。冷や汗というのは、本当に背中を伝うんだなと学びました。

いま、ペアローンの見積もりを前に「やめとけって言われるけど、本当のところはどうなの?」と調べているあなたへ。迷うのは当然です。住宅ローンは人生で一番大きな契約のひとつで、そこで立ち止まって調べているあなたは、もう家族のために十分に頑張っています。この記事では、私たち夫婦が契約後に気づいたことを、恥ずかしい部分も含めて全部書きます。私の失敗を踏み台にしてください。踏まれ慣れています。

この記事でわかること(私の見落とし付き)

  1. ペアローンの仕組みと、勧められやすい理由
  2. 離婚したとき、ローンと家はどうなりやすいか
  3. 育休で収入が減っても、返済は続くという現実
  4. 万一のとき、団信(団体信用生命保険)で守られる範囲
  5. 収入合算との違い、向き不向き、契約前のチェック項目

※ここに書く内容は我が家のケースと、私が自分で調べた範囲のものです。ペアローンの扱いは金融機関や商品によって異なります。金利・団信・税制などの最新情報は、必ず金融機関の窓口や公式サイトで確認してください。

ペアローンの仕組みと、勧められやすい理由

ペアローンとは、夫婦がそれぞれ別々に住宅ローン契約を結び、それぞれの名義で持分を持つ仕組みです。多くの金融機関では、お互いが相手のローンの連帯保証人になる形をとります(ここも商品によって違うので、契約前に確認が必要です)。

営業さんが勧めたくなる理由も、よく分かります。

  • それぞれが借りるので、借入可能額を増やしやすい
  • 住宅ローン控除を、夫婦それぞれが受けられる可能性がある
  • 団信にも、夫婦それぞれが加入する
  • 共働きの強みを、そのまま活かせる

こうして並べると、確かにメリットだらけに見えます。私たちも「せっかくの共働き、使わない手はない」と思いました。ペアローン自体が悪い仕組みというわけではなく、メリットとデメリットがセットになっている仕組み、と言うほうが近いです。問題は、片方しか見ないまま契約した私でした。

我が家が契約したときの話(読み飛ばした私)

我が家は、夫婦それぞれが別の契約を結ぶペアローンで、4LDKの新築を購入しました。「二人の収入を合わせれば理想の物件に届く」という数字の魅力に、完全に引き寄せられました。

実は団信のことも、契約書にはちゃんと書いてありました。小さい文字で、しっかりと。それを私は舞い上がって読み飛ばしていたのです。後から事実に気づいたとき、営業さんに電話で「そんな話、聞いてないんですけど」とやや強めに詰め寄りました。すると丁寧に「契約書の○ページに記載がございます」と返され、電話口で静かに自分の首を絞めました。聞いていないのではなく、読んでいなかった、というのが正解です。

ちなみに4LDKのうち一部屋は、今のところ段ボールの待機場所になっています。憧れの部屋数と、実際の使いこなしは別物でした。

契約後に気づいた3つのリスク

1. 離婚したときの整理は、思った以上に複雑

友人に言われた「離婚したら地獄だよ」の中身は、こういうことです。ペアローンは、離婚したからといってローンが自動的に解消されるわけではありません。夫婦それぞれの契約が残り、それぞれに持分が登記されています。片方が家を出ても、双方に返済義務が続くのが基本です。

友人によると、離婚後に名義の整理をしようとしたものの、金融機関の審査が通らず、長く身動きが取れなくなった例もあるそうです。整理の主な方法は次のとおりです。

  • 家を売却して、ローンを精算する
  • どちらかが単独名義で借り換えて、相手の持分を引き取る
  • ローンを残したまま、金融機関と話し合う(認められない場合もあります)

ここで見落としやすいのが、売却価格がローン残高を下回る場合です。売っても残債が残ると、差額を現金で用意する必要が出てきます。また、返済が滞ると双方の信用情報に影響が出ることもあります。我が家は幸い夫婦仲は良好です。ただ、友人に「絶対に離婚しない自信はある?」と聞かれて、「え、そこまで考えてなかった」と即答してしまった自分には、さすがに反省しました。離婚の話は、考えたくない話題です。それでも、考えたくない人ほど、静かな日に一度だけ、家族で話しておく価値があると感じています。

2. 育休中も、返済は待ってくれない

妻が育休に入り、収入がぐっと減った期間がありました。ペアローンでは、妻名義の返済は妻の収入で払うのが前提の設計です。育児休業給付金だけでは、妻名義の返済分を賄いきれず、慌てて家計を組み替えました。

ここで、あくまで仮の例を出します。数字は我が家の実額ではありません。たとえば、妻名義の返済が月8万円、育休中に妻の口座へ入るお金が月13万円だとします。残りは5万円で、食費、光熱費、日用品、保育関連の費用まで回すことになります。育休給付の金額や期間は、制度の見直しや個人の条件で変わるため、最新の情報を確認してください。

「二人で借りる=二人で楽になる」ではなく、「二人分の返済義務を、二人とも常に背負っている」という当たり前のことに、私は育休中の通帳残高を見てようやく実感しました。家計の管理が苦手な私は、ここで通帳を2冊並べたまま、腕を組んで15分ほど固まりました。妻が不安な夜を過ごしたことを思うと、事前に話し合っておけばよかったと、今でも悔いています。

育休は、本来は喜ばしいライフイベントです。だからこそ、収入が下がる期間の返済シミュレーションを、契約前に一度やっておくと安心です。

3. 万一のとき、団信で守られるのは「その人の借入分」

契約から2年経って、ようやく気づいたのが団信です。ペアローンでは、団信もそれぞれの契約ごとに別になります。そのため、どちらかが亡くなった場合、団信で完済されるのは、亡くなった人の借入分です。残された配偶者は、自分の借入分の返済を、そのまま続けることになります。

私は「二人で組んでいるのだから、何かあっても安心」と漠然と思い込んでいました。実際は、半分だけ守られている状態だった、ということです。死別の話は重たいので、ここでは冗談を挟みません。ただ、考えたくない話だからこそ、事前に知っておくことには意味があると思っています。

では、ペアローンで夫婦のどちらかに万一があったとき、残りも含めて保障される連生団信を選べるのか。これは、金融機関や商品によって異なります。ペアローンで選べる商品もあれば、収入合算(連帯債務型)の一部の商品でだけ選べる、という場合もあります。我が家が契約した銀行には、当時この選択肢がなく、後から知って悔しい思いをしました。連生団信は、加入できる条件、金利の上乗せ、保障の範囲もまちまちです。これから組む方は、必ず契約前に、希望の商品で選べるかを窓口で確認し、最新の条件を見てください。

ペアローンと収入合算、何が違う?

調べ直してわかったのは、共働き夫婦の選択肢が、ペアローンだけではないことです。次の表は、私たちが比較した内容を整理したものです。扱いは金融機関によって違うため、「こうなりやすい」という目安として見てください。

比較項目 ペアローン 収入合算(連帯債務・連帯保証)
契約数 2本(夫婦それぞれ) 1本
住宅ローン控除 夫婦それぞれが受けられる可能性がある 連帯債務なら双方、連帯保証なら主債務者のみとなりやすい
団信 それぞれの契約分のみ(連生団信が選べるかは商品による) 商品によって、夫婦連生団信が選べる場合がある
借入額の増やしやすさ 増やしやすい傾向 ペアローンほど増やせない場合がある
離婚時の整理 契約が2本あり、複雑になりやすい 比較的シンプルな場合もあるが、持分の調整は必要

私たちは、「借入額を増やせる」という一点だけを見て、団信や離婚時の整理までは深く調べていませんでした。目先の借入可能額と、万一のときの安心は、片方を取るともう片方が薄くなる、いわばシーソーのような関係でした。どちらが正解かは家庭によって違うので、一度じっくり並べて比べてみてください。

ペアローンのメリットとデメリットを並べてみる

ここまでの内容を、改めて両面から整理します。

メリットになりうる点

  • 借入可能額を増やしやすく、物件の選択肢が広がる
  • 住宅ローン控除を、夫婦それぞれが受けられる可能性がある
  • それぞれが団信に入るため、保障の形を夫婦で分けられる
  • 返済の負担を、収入に応じて夫婦で分担できる

デメリットになりうる点

  • 離婚時に、名義・持分・ローンの整理が複雑になりやすい
  • 育休・休職・退職で収入が下がっても、それぞれの返済義務は変わらない
  • 片方に万一があっても、もう片方のローンは団信でカバーされない場合がある
  • 契約が2本分になり、諸費用や手続き(初年度の確定申告など)も二重になりやすい

こうして見ると、ペアローンは「うまくハマる家庭」と「慎重に考えたい家庭」がはっきり分かれる仕組みだと感じます。

相性がよい可能性がある家庭は、たとえば次のようなケースです。夫婦ともに収入が安定していて、将来の収入の見通しも立てやすい。育休などの収入減の期間をカバーできる貯蓄がある。連生団信や、万一のための保険など、団信以外の備えも整えている。契約前に、離婚や死別の話も含めて夫婦で話し合えている。

慎重に考えたい家庭は、たとえばこちらです。どちらかの収入が不安定になる可能性が高い。近い将来に出産や育休、転職を控えている。貯蓄が少なく、収入が下がるとすぐに家計が苦しくなる。「借りられる上限いっぱい」で組もうとしている。

これは、あなたの家庭がどちらに入るか決めつけるためのリストではありません。ちなみに私は、完全に後者の「上限いっぱいで組もうとした」タイプでした。営業さんが「ここまで借りられますよ」と言った瞬間、「じゃあ借ります」と答えた記憶があります。借りられる額と、返せる額は、別物でした。

契約前に確認したいチェック項目

確認項目 チェックすべきこと
離婚時の対応 売却・借り換え・単独名義化の選択肢と条件を、事前に金融機関へ確認する
産休・育休期間 収入が減る期間の返済シミュレーションを、夫婦でしておく
団信の保障範囲 連生団信(夫婦連生型)が選べるか、条件や金利の上乗せはどうか、窓口で確認する
持分割合 出資額に応じた正しい持分登記を行う(割合が合わないと贈与税の問題が生じる場合がある)
連帯保証の形 互いが連帯保証人になる契約か、その内容を契約書で確認する
金利・諸費用 2本分の事務手数料や保証料を含めた総額を確認し、他の借り方と比べる

この表を、契約書を読む前の私に見せたいです。そして、見せたうえで、契約書を最後まで読ませたいです。

すでにペアローンを組んでいるあなたへ

「もう組んでしまったんだけど……」という方も、きっといらっしゃると思います。ご安心ください。今すぐ何かを変えなければいけない、という話ではありません。私も、契約から2年後に気づいた側です。

無理のない範囲で、次のことを確認してみてください。

  • 団信の保障内容と、どちらの契約が何を保障するのかを再確認する
  • 万一のときの生活防衛資金を、夫婦それぞれで備えておく
  • 持分の登記と、実際の出資割合が合っているかを確認する
  • 金利や条件が変わった場合の借り換えの余地を、年に一度は見直す

そして、年に一度くらいは、家族で「もしも」の話をしてみてください。我が家は、結婚記念日の食事のあとに、デザートを食べながら話すことにしました。重たい話題でも、甘いものがあると、不思議と丁寧に話せます。

よくある質問

Q1. ペアローンと収入合算、どちらがいいですか?

A. どちらが良いとは一概に言えません。借入額を増やしたい場合はペアローンが向いていることがあり、団信のリスクを一本化したい場合は収入合算(連帯債務など)が合うことがあります。出産・転職・介護といった将来のライフイベントまで見据えて、金融機関に条件を確認しながら選んでください。

Q2. ペアローンでも、夫婦連生団信は選べますか?

A. 金融機関や商品によって異なります。ペアローンで選べる商品もあれば、収入合算(連帯債務型)の一部の商品でだけ選べる場合もあります。条件や金利の上乗せも商品ごとに違うため、検討中の金融機関に、最新の内容を直接確認してください。

Q3. 組んだ後に、片方が退職した場合はどうなりますか?

A. それぞれの契約は別なので、退職しても返済義務は残ります。収入が下がる場合に備えて、生活防衛資金を厚めに準備しておくことが大切です。返済が難しくなりそうなときは、早めに金融機関へ相談してください。

Q4. 離婚したら、ペアローンは必ず解消しなければいけませんか?

A. すぐに解消が必要とは限りませんが、金融機関の契約内容によって異なります。返済が滞ると双方の信用情報に影響が出る可能性があるため、早めに金融機関や専門家に相談し、売却や借り換えなどの選択肢を検討することをおすすめします。

Q5. すでに組んでしまいました。今からできることはありますか?

A. 団信の保障内容の再確認、夫婦それぞれの生活防衛資金の準備、持分登記の確認などができます。借り換えを検討する場合は、諸費用と金利差を比べて、慎重に判断してください。

まとめ:ペアローンは、知ったうえで選べば納得しやすい

ペアローンは、共働きだからこそ選べる、二人の力を合わせた仕組みです。それ自体は、決して悪いものではありません。ただ、「借りられる額」だけを見て決めると、離婚・育休・万一の死別といった、誰にでも起こりうる出来事への備えが手薄になりやすいと、私は身をもって知りました。

あなたが今、家族のために一生懸命マイホームの計画を進めているなら、その頑張りは本当に尊いものです。だからこそ、その頑張りが将来のリスクで台無しにならないよう、契約前にほんの少しだけ「もしも」を想像する時間を作ってあげてください。契約書は、できればカーテンの色を決める前に読んでください。これは、読み飛ばした私からの、心からのお願いです。

※本記事は2026年10月時点の情報に基づいています。金利・団信・税制・各種給付などの条件は変わる可能性があります。ペアローンの扱いは金融機関や商品によって異なりますので、契約前に必ず最新の内容を確認し、ご自身の収入状況やライフプランを踏まえて、無理のない範囲でご判断ください。

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この記事は、運営者(Ikuo)が自分自身で調べ、まとめた内容です。専門家による監修を受けたものではありません。より詳しい・個別の判断が必要な内容は、専門家や各サービスの窓口に直接ご相談ください。

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