SNSやネットの知恵袋を見ると「医療保険はいらない」「入っている人は情報弱者」といった強い意見をよく見かけます。でも会社員と違って傷病手当金がないフリーランスの立場だと、それを鵜呑みにしていいのか不安になりますよね。この記事では、その論争の背景を整理しつつ、あなたなりの答えの見つけ方を一緒に考えます。
実はこれ、他人事ではなく私自身の話でもあります。以前「医療保険はいらない派」の意見に感化されて、貯金があるからと一時的に保険を解約したことがありました。ところがその半年後、まさかの盲腸で緊急入院。手術台の上で看護師さんに「保険証と一緒に、加入している保険の書類もありますか?」と聞かれ、「あの、実はつい最近解約しまして……」と気まずい沈黙が流れたのを今でも覚えています。結局は健康保険の高額療養費制度で大きな負担にはならなかったのですが、退院後にネットで「医療保険 いらない 論争」を検索しまくった夜、布団の中で「なんであんな勢いで解約したんだ」と一人反省会を開いたのは言うまでもありません。答えのない論争に振り回されるより、自分の状況をちゃんと見ることが大事だと痛感した出来事でした。
「医療保険はいらない」と言われる理由の基本
この論争が起きる背景には、日本の公的医療保険制度がかなり手厚いという事情があります。
- 健康保険による「高額療養費制度」があり、自己負担額には上限がある
- 入院日数の短期化が進み、以前ほど長期入院による費用負担が大きくなりにくい
- 貯蓄が十分にあれば、保険料を払い続けるより現金で備えた方が合理的という考え方がある
- 民間保険は保険会社の利益も含まれるため、支払う保険料の一部は保障以外に使われている
これらは事実として間違っていません。ただし、これは「貯蓄が十分にあり、収入が安定している人」を前提にした話でもあります。ここを混同してしまうと、自分に合わない判断をしてしまう可能性があります。特にSNSで発信されている「いらない派」の意見は、発信者本人の年収や貯蓄状況、家族構成が前提になっていることがほとんどで、その前提が自分と同じとは限りません。誰かにとっての正解が、あなたにとっても正解とは限らないという視点を持つだけで、論争への向き合い方はぐっと楽になります。
フリーランス・自営業ならではの不安
会社員であれば、病気やケガで働けなくなっても傷病手当金という公的な支えがあります。しかしフリーランスにはこの制度がありません。
- 働けない=即収入がゼロになるリスクと隣り合わせ
- まだ貯蓄が十分に貯まっていない年齢・収入段階であることが多い
- 「保険はいらない」という意見と、自分の不安定な収入基盤との間でどちらを信じればいいか分からなくなる
- 周りにフリーランスの先輩が少なく、相談相手が見つけにくい
「保険なんていらない」という声が正しく聞こえる一方で、自分の懐事情を考えると素直に頷けない——そのモヤモヤは、決してあなたの判断力が足りないからではありません。むしろ、自分の状況をちゃんと見ている証拠です。フリーランスになったばかりの頃は特に、収入の波が大きく、良い月と悪い月の差に振り回されがちです。「今月は稼げているから大丈夫」と思っていた矢先に仕事が途切れる、という経験をした方も少なくないはずです。だからこそ、保険を「贅沢品」として切り捨てるのではなく、収入が不安定な自分だからこそ必要な備えとして冷静に見つめ直すことが大切です。
自分に合った答えを見つけるためのステップ
- まず貯蓄額を確認する:生活費の何ヶ月分の貯蓄があるかを数字で出してみる
- 高額療養費制度の自己負担上限を調べる:自分の所得区分だと、実際にいくらまでの負担で済むのかを知る
- 「入院リスク」と「働けないリスク」を分けて考える:医療費の心配なのか、収入が止まる心配なのかを整理する
- 就業不能保険や所得補償保険も選択肢に入れる:医療保険だけでなく、働けなくなったときの収入減をカバーする保険もあわせて検討する
- 迷ったら専門家に相談する:保険は情報が複雑なため、独学だけで判断せず、ファイナンシャルプランナーなど専門家への相談をおすすめします
大事なのは「入る・入らない」を誰かの意見で決めるのではなく、自分の貯蓄状況と収入の不安定さを数字で把握した上で決めることです。一度に全ての備えを完璧にしようとする必要はありません。まずは貯蓄額と高額療養費制度の自己負担上限を確認し、そのギャップが大きいと感じたら医療保険を、収入減の不安が大きいと感じたら就業不能保険を、というように段階的に考えていくだけでも、モヤモヤはかなり整理されていきます。
よくある質問
Q1. 貯金があれば医療保険は本当にいらないですか?
貯金額が十分で、入院しても生活が破綻しない見込みがあるなら、医療保険の優先度は下がる場合があります。ただしフリーランスは収入減少リスクも考慮する必要があるため、貯金だけでなく収入面の備えもあわせて確認しましょう。
Q2. 医療保険より優先すべき保険はありますか?
働けなくなったときの収入減をカバーする就業不能保険や所得補償保険は、フリーランスにとって医療保険と同じかそれ以上に重要という考え方もあります。自分の働き方に合わせて優先順位を検討してください。
Q3. SNSの「いらない派」の意見を信じていいですか?
一つの参考意見として受け止めつつ、自分の貯蓄状況・収入の安定度・家族構成などは人それぞれ違うため、そのまま鵜呑みにするのではなく自分の状況に置き換えて考えることが大切です。
まとめ:論争に振り回されなくて大丈夫
「医療保険はいらない」という意見も、「入っておくべき」という意見も、それぞれの立場からすれば正しいのです。だからこそ、どちらか一方に振り回される必要はまったくありません。ここまで読んで自分の状況を整理しようとしたあなたは、もうすでに正しい方向に進んでいます。フリーランスという働き方を選んだこと自体、勇気のいる決断だったはずです。その決断をした自分を、どうか誇りに思ってください。自分を責めず、まずは貯蓄額の確認という小さな一歩から始めてみてください。焦らず、一つずつで大丈夫です。
この記事は、運営者(Ikuo)が自分自身で調べ、まとめた内容です。専門家による監修を受けたものではありません。より詳しい・個別の判断が必要な内容は、専門家や各サービスの窓口に直接ご相談ください。

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